突然の両親の失踪。途方に暮れる紗耶香はそれでも恋人の貴幸の前では気丈に振る舞っていた。
貴幸に頼るように幸せな時間を求める紗耶香の思いは、歪な形となって崩れていく……

貴幸の兄である雅史がオーナーを務めるファミレスでバイトをすることになった紗耶香。
優等生で委員長でもある紗耶香は慣れないバイトに明け暮れながら、いつしか貴幸との連絡も途絶えがちになってきて……

毎日あったはずの連絡が途切れてくる不安。貴幸は紗耶香の携帯に連絡をする。
いつもと変わらぬ紗耶香の声は、しかしどことなく艶を帯びているようで……
途切れがちの連絡は、さらには途切れがちの会話へと繋がって……
「っ、いやっ……きちゃぅ……っ」
紗耶香と噛み合わない会話……
「ちょっと、妹が悪戯してきて……ごめんなさい」
紗耶香の謝罪の言葉は、甘く蕩けたように貴幸の耳に届いてきた……